逆流性食道炎

逆流性食道炎とは?

逆流性食道炎とは、強い酸性の胃液や胃で消化される途中の食べ物が食道に逆流し、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じる病気です。

胃には自分で分泌した胃液の酸から身を守る力がありますが、食道には胃液の酸から身を守る力がありません。

正常な状態では、胃液で食道が傷つかないように、食道と胃の境目にある下部食道括約筋が締まり、逆流しないようにしています。

しかし、食事の不節・肥満・姿勢・加齢などさまざまな理由によって、食道を逆流から守る仕組みが弱まるか、胃酸が増えすぎることで胃酸が逆流するために逆流性食道炎が起こります。

症状は?

  • 胸焼け
  • げっぷ
  • 食事中または食後に横になると酸っぱいものが上がってくる
  • お腹の張り
  • 胸痛
  • のどの違和感
  • 咳:横になると咳が出る

などがあります。症状は重なっていくつか起こることもあります。

原因は?

考えられる主な原因は以下の6つになります。

①食生活

②姿勢

③ストレス

④肥満

⑤加齢

⑥薬の影響

目次

食生活

食べ過ぎは物理的に胃が引き伸ばされることで、下部食道括約筋が弛むと考えられています。

脂肪分の多い食事は消化に負担となり、コレシストキニンという脂肪の消化に関わるホルモンが大量に分泌され、下部食道括約筋が弛みます。

また、タンパク質の多い食事も消化に時間がかかり、胃に長く滞留する間に胃酸分泌が続き、その結果逆流する可能性が高まります。

姿勢

加齢などにより、腰が曲がっていること、または猫背がひどいことなどにより胃が圧迫されて逆流しやすくなります。

ストレス

精神的なストレスは空腹時でも胃酸の分泌が促進してしまいます。このためストレスは胃潰瘍とも関係があります。

肥満

日本人では、肥満と逆流性食道炎の関係を示すデータはないですが、肥満の人は逆流性食道炎の原因の一つである食道裂孔ヘルニアになりやすいことが分かっています。

また腹圧が上がることで、逆流しやすくなるとも言われています。

加齢

加齢により下部食道括約筋の働きが弱ってくるとともに、食道自体の蠕動運動も減り、唾液の分泌量も少なくなっているために逆流した胃液を胃に戻せなくなります。

薬の影響

喘息、血圧、心臓の病気などに使う薬の中には、下部食道括約筋を弛める作用を持つものがあります。テオフィリン製剤、β刺激薬、Ca拮抗薬、亜硝酸薬などです。

抗コリン薬や麻薬などは消化器運動を抑制して腹圧を上昇させることがあるため胃酸の逆流につながることがあります。

東洋医学(漢方)の考え方

漢方では胃腸のことを「脾胃」と表現します。

「胃」は西洋医学とほとんど同じと捉えて構いませんが、

「脾」は「小腸・大腸などを含めた消化器官」を指し、西洋医学の脾臓とは異なります。

「胃」の機能は「受納」と「腐熟」といって、口から入った食物や水を胃が受け入れて(受納)、初期消化(腐熟)をして、これらを十二指腸に送る仕事をしています。

「脾」の機能は、胃が消化吸収したこれらの栄養素(水穀の精微)をさらに消化吸収します。変化させて運ぶという意味で「運化」といいます。

胃腸とストレスの関わりを漢方ではこう考えます

この脾胃の働きには「肝」も関わっています。

肝の働きに「疏泄」があります。

「疏」は脾の消化吸収を助けるという意味で、「泄」は胃の初期消化の助けるという意味です。

また、肝の働きに「舒暢」があり、意味は「心をのびのびとさせること」です。

「のびのびとさせること」の反対で、「(心=精神を)抑えつけられること」を肝は嫌いますから、精神的ストレスが続くと肝の機能は低下していきます。

上記のように精神的ストレスが続くと胃腸もトラブルに見舞われるのです。

その一つの表れ方が「逆流性食道炎」です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍を併発しているケースも少なくありません。

どんな症状があるのでしょうか?

気は空気のように流動的なエネルギー体で血液のように目には見えません。

精神的ストレスなどにより気が滞ると「肝鬱気滞」となり、次々と流れ込んでくる気が一時的に滞り、行き場に困った気は、来た道を戻ろうとするか、分散して広がろうとします。

その結果、胃では”膨満感”や”げっぷ”などの症状が出ます。腸では”お腹の張り”や”おなら”などの症状が出ます。

胃の機能で初期消化をして栄養物を下に位置する十二指腸に送る機能を「胃気」といいます。

降下に働く胃の気が下がることができずに胃に留まり”膨満感”、ひどくなれば逆行して上昇すれば、”げっぷ”、”胸やけ”の症状が現れ、さらにひどくなれば”嘔吐”となります。

脾は、胃によって初期消化された栄養を吸収しますが、この機能が低下すると、”下痢”または”便秘”を起こします。

肝が脾に作用したときは”腹痛をともなう下痢”となり下痢すると一旦腹痛は治まります。しかし、しばらくするとまた”腹痛、下痢”が起きたりします。

小島漢方薬局では体質チェック、食事や生活習慣のカウンセリングを行っています。

繰り返す症状でお困りの方には

身体を根本から立て直すことをお勧めしています。

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