すでに猛暑日が続いていて、疲れを感じたり、体調が優れない人が多くいます
楽しい夏休みを過ごして頂くために、漢方薬局がお伝えする夏の過ごし方についてお伝えしたいと思います
夏の時期に最も重要になってくることが、胃腸を疲れさせないことです
そのために大事なことが2つ
まず一つ目が、『水のとり方』
二つ目が、『睡眠のとり方』
・水を飲みすぎない
夏になると必ず耳にすることは
熱中症にならないように水分をたくさん摂りましょうなどのアナウンスをよく耳にします
十分な水分補給は間違えないのですが、
場合によっては危険なアナウンスになりかねません。
人によっては水をたくさん飲み過ぎることで、逆に体調を悪化させてしまうことがあります
皆さんもそのような経験はないでしょうか
ポイントは、胃腸の強さです
胃腸が丈夫で元気な人であれば、飲んだ水をちゃんと全部吸収してくれます
しかし、胃腸が弱いか、疲れやすい人は、飲んだ水が吸収できずにお腹に溜まってしまい、逆に胃腸を壊すことで夏バテを起こしてしまいます
「水はたくさん飲む!」ではなく、「適切に飲む!」です
基本的に人間な体には喉に優秀な「渇きセンサー」が付いています
体が水を必要としている際は、その「渇きセンサー」が教えてくれます
その際に、渇きが潤せる程度の水を補給することが大切です
例えばスポーツとか炎天下のお仕事の際は、大量に汗をかいた後、強く喉が渇きますので十分に水を取ってください
飲む時は、なるべくチビチビと。キンキンに冷えた飲み物は控えましょう
特に喉が渇いていなければ飲む必要がありません
高齢者に関しましては、喉の渇きを感じる「口腔中枢」が衰退するため、
実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなります
その際は、周りの方のサポートし水分を補給してあげることが大切です
・水でお腹いっぱいにしない
水をたくさん飲み過ぎると、夏バテの原因繋がってきます。夏バテの多くは、食欲がなくなり、満足に食べれなくなることから始まります
例えば、水分や果物、さっぱりしたものは食べれるけれども、お肉油ものは少しも受け付けない、という状態です
これが夏バテの典型的です
水分は摂っても、お腹いっぱいまで水を飲まない。食事をとる余力を残すことを意識してください
・冷たい水がダメな理由
暑い夏はとんかく体を冷ました方が良いから、冷たい水を飲む
それは短期的な安易な考えになっています
夏になると体は熱をこもらせないように変化していきます
具体的には発汗を行うことで熱を外に逃し、体温を下げる働きが自然に盛んになってきます
体内は冷えやすくなり、中の内臓の熱はどんどん放出されていきます
つまり暑い日に体表面が熱くなり汗をかくと、体の外側は暑いけれども、内側は冷えているという状況が起こります
この内臓が冷えている状態で、冷たい水を飲むことは胃腸への直接なダメージになります
暑い中でお湯を飲めとは言いませんが、少なくとも冷房に入った部屋では冷たい水は避けた方が良いと思います
お腹の中の温度は40度で、湯船と同じ温度です
果物やさっぱりしたものでも、お腹にとっては冷たい物です
夏だからこそ、湯を飲むという習慣
私はこれが大切だと思っています
暑い夏、体はあくまでも外から冷やす、中は冷やさず温める、という夏の養生の基本です
・エアコンの使い方
夏の養生で大事なことは、胃腸をいかに元気な状態に保つかにあります
体の中で熱を産生する最大の期間は筋肉です
人は日中、手や足などの筋肉を動かすことで熱を作り続けています
そのため日中に外から冷えた風を浴びても、体内までは比較的冷えにくいです
しかし、寝ている間は違います
筋肉活動が少なくなるため、寝ている間に体を冷やすと体の中まで冷えてしまいます
夏場にクーラーのつけっぱなしで寝たりする人は多いと思いますが、
寝るときに直接冷たい風が当たり続けることで、体調不良を起こす方がたくさんいらっしゃいます
朝起きた時の浮腫みや倦怠感、腹痛や下痢、食欲不振などは、夜間に体を冷やしてしまうことで起こる典型的な症状です
寝ている間に室温がどんどん下がっていく、というのが危険な状態です
直接冷たい風が当たらないように、そして室温はなるべく一定を心がける
寝ている間に「寒ツ」と思って布団をかけ直すという経験をしたことのある人は多いと思いますが、
体はその時点で内臓まで冷え切っています
夏の暑さが強まる中、寝苦しい夜が当たり前になってきました。寝室の温度管理をぜひ検討してみてください
・睡眠時間の確保
夏の夜は楽しい行事が目白押しです
夏を目一杯楽しむ
そのためには、健康でい続けることが前提です
そしてそのためには睡眠時間を十分にとることです
楽しい行事で寝不足が続いてしまうと、一気に夏バテへと向かっていきます
睡眠不足は確実に胃腸の弱りを招きます
そして当然胃腸だけではなく、全身が疲労し、さらに自律神経まで悪化させます
そして同じ理由で、寝る前の飲食は避けてください
食べてすぐ寝ると、胃腸は寝ている間も動き続けてしまうので休むことができません
なる前の3、4時間は固形物を食べない方が良いでしょう
液体であっても当然飲み過ぎは禁物です。水分をがぶ飲みしたり、お酒をたくさん飲むことも避けましょう
夏に体調を崩す方の多くは胃腸から崩れます
最近食欲が落ちてきた。水っぽいものの方が食べやすくなってきた
そんな兆候があれば、その時は「やばい」と思ってください
上記の養生を思い出していただき、夏でもちゃんと元気な胃腸を維持していきましょう
逆に胃腸さえ元気な状態を保つことが出来れば、夏の体調不良を予防できます
『転ばぬ先の杖』
できる限り、規則正しい生活を心がけましょう
この夏の過ごし方が秋の養生にも繋がっていきます